Disease
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湿疹1:概念のこと
湿疹と言えば皆さんアトピーと答えるでしょう? 正確にはアトピーの意味と疾患は違いますが、ここでは世の中の通例に従い、アトピーと言ったらアトピー性皮膚炎を代表としておきましょう。
アトピー湿疹はまるで流行性疾患のように、時として育児雑誌などに取り上げられます。いったいどんな病気なのでしょう。すこし湿疹が出現すると、うちの子はアトピー性皮膚炎じゃないか? と、親はすぐ思うはずです。
アトピー湿疹とは、主にアレルギーなどが原因となって起こる皮膚の湿疹状態です。乳児期早期には顔を中心とし、次第に全身に広がり、年齢が進むとともに肘や膝関節の屈曲面と耳介下部を中心に見られることが特徴です。原因は乳児期には食物、幼児になるとダニやホコリ等も原因となります。乳児湿疹との区別は初期には難しく、経過と採血結果で診断します。痒みが強いのもアトピー湿疹の特徴でしょう。
お母さん達は子どもの皮膚をまじまじと観察し、すこし湿疹が出現すると、
【アトピー祭り】にでも参加するが如くアトピーアトピーと大騒ぎします。
気を悪くしたお母さんがいらっしやいましたら、ごめんなさい。
湿疹2:原因と診断などのこと
アトピー性疾患の原因は、現時点では完全に解明はされていないということです。
アトピー湿疹はアレルギーだけが原因ではないという説。
生体の皮膚防御反応障害により、外界からの刺激の以上反応。
アレルギーであっても、食べ物はほとんど関係しないとする説。
地球環境と食事といろいろな因子でIgE反応が異常になる説。
さなだむしが(寄生虫が)いなくなった為に湿疹が増える。 これはおもしろい話です。
など、結局はこれだ という原因は究明されてはいません。
他に診断の根拠として
アレルギーの検査で、症状がなくてもアレルギー検査をすると、アトピー因子が陽性に出ることもあります。アトピー陽性でも湿疹が出現しないひともいます。また湿疹が強度でアトピー因子やアレルギーの検査をし、アレルギー検査は陰性のこともあります。
これらの検査は、あくまで補助診断です。食べ物との直接的関係は、重要かも知れません。
湿疹3:治療その他のこと
アトピー湿疹は皮膚の病的状態ですから、基本的には軟膏による治療法が中心となります。しかし保湿剤で皮膚のバリアを整えるスキンケアが大切であることは言うまでもありませんし、皆さんは皮膚科軟膏でステロイド剤、その副作用など、私達にわか皮膚科医より、数倍育児雑誌などから見聞きしておられるでしょう。
悪影響が出る痒みや皮膚びらんを伴った場合は短期間のステロイドが奏効します。ただ漫然と塗布するのはおすすめしません。しかしひどい皮膚びらんでも、うちの子にステロイド軟膏はNoという親もいらっしゃいます。
掻き傷だらけで使わざるを得ないこともあります。それでもステロイド剤が怖いと拒否する方もいます。果たして正しいのでしょうか。ステロイド剤は強さ、範囲、使い方さえ守れば、十分な効果があり怖いものではありません。
不安をなくすためにもかかりつけの先生の考え方や説明をよく理解して、軟膏は種類や塗る場所・回数など、指示を守って使いましょう。
内服薬について。
漢方や痒み止め、抗アレルギー剤が処方されることもあります。アレルギーの反応を押さえたり痒みを和らげるのが内服薬であって体質を変えるものではないことを、知っておく必要があります。場合によっては漢方で体質が変るかも知れませんが。
湿疹4:食事療法
湿疹体質の改善には、食事療法という考えも必要です。主治医の先生によって考え方は多少異なりますが、先生も食事療法を重要な項目と考えていると思って間違いはないでしょう。
単独アレルギーの場合には、除去することに問題ありませんが、卵白、小麦、大豆、その他と多岐にアレルギーがある場合には、簡単にはいきません。多くは発育成長期なので、発育や発達も考慮しなければなりません。
皮膚が綺麗になることと発育発達と、どちらが重要かを考えて、ローテーション食という考えで食事療法を行いましょう。
極端な除去食にて、栄養失調や脚気で入院した実話もあります。食事療法はしっかりと客観的な立場で栄養素の必要性を判断することが大切です。
文責:吉利 彰洋
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