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どうして冬は風邪をひきやすいのでしょう？ただ寒いということだけでは、説明ができません。冬の代表的ウィルスのインフルエンザを例に挙げると、気温が下がり湿度が低くなる頃に猛威をふるいます。この環境の変化が大きな原因です。インフルエンザウィルスは低温かつ乾燥で活動しやすくなるのです。
しかし環境以外に、人の体にも、その要因があるようです。風邪はウィルスが咽頭について、それが細胞の中に進入増殖して発症します。通常であれば、咽頭に付着したウィルスを排除出来ますが、局所の免疫力が低下すると細胞内に入り込まれてしまうのです。ウィルスは細胞内で増殖し、全身にいろいろな症状を引き起こすのです。
空気が乾燥する時期に部屋を暖房し過ぎると、のどがからからになり痛くなってきますよね。そんな乾燥時には局所の防御力が低下しているのです。他の原因として、体調、栄養・ビタミン不足も関係していると考えられています。ウィルス感染症ですから直接的な治療法はありません。
予防することが大切です。昔から風邪を予防するためには、十分な睡眠をとり、バランスのよい食事を摂取することが大切と言われています。全身の抵抗力（免疫）を高めることも必要ですね。
インフルエンザの場合には、予防接種が有効な方法とも言われています。ワクチンは前年までの流行から次に流行するウィルスを予想し、組み合わせて作られます。詳細は別に記載しました。任意接種のため接種料金がかかること、流行ウィルスの種類によっては１００％の効果が期待できない、という問題があります。
老人施設などでの死亡がマスコミで報道されると、必ず予防接種が話題になります。副作用もあまりないので、最近では接種を希望する方が増えています。それで、９９年末にはワクチン不足騒ぎがおこりましたよね？
インフルエンザはインフルエンザ・ウィルスによって起こる、冬に流行する風邪の一つです。症状はウィルスの型によって多少異なりますが、典型的な経過は急激な発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠などで始まり、その後鼻水や咳が次第にひどくなっていきます。発熱は３９〜４０℃の高熱のことが多く、２〜３日から１週間程度続くことがあります。場合によっては一旦解熱し、再び発熱することもあります（二峰性発熱）。
咳は時間の経過とともに、ひどくなることが多いようです。他に嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状が見られることもあります。潜伏期が１〜２日と短いため、家族や集団生活で短時間で広がることが特徴です。成人では典型的な症状を示し診断は比較的容易ですが、乳幼児では症状があまり典型的でなく、普通のかぜとの鑑別は困難です。
合併症で、大きな問題となるものには脳症と肺炎があります。脳症は乳幼児に多く、発熱後１〜２日の早期に急激な痙攣や意識障害で発症します。頻度は低いのですが、死亡や後遺症併発の原因になる合併症です。神経症状があらわれた場合には、かかりつけの先生に相談しましょう。
またインフルエンザでは、気管支炎や軽い肺炎を合併するかたが多い。発熱が長期で咳がひどく全身状態が悪化するような場合には、重症な肺炎も疑われます。
風邪は予防することが大切です。手洗いやうがいを励行し、人混みをさけ、規則正しい生活とバランスの良い食事をとり、寒い冬を快適に過ごしましょう。2000-インフルエンザ流行前 文責：吉利 彰洋